ホンダ ダンク

間歇破行で原付が生活に不可欠な私

 総じて、大柄で、山間部や坂道の多い地域に住むおじさんに最適であります。けつが痛くなるし、荷物を積むところがないので仕事用には不向きです。若者に受けたいのにあまり必要のない「えんじんすとっぷ」とかつけて若者の買いづらい価格にしてしまったり、若者受けを狙って、保安部品のデザインとか軽視してしまったり、実用的じゃないUSB電源をつけてみたりと、きっと船頭が多くて山に登ってしまったのかと思います。またHONNDAのホームページには改造部品のパージにリンクする仕組みもありました。ダンクに限らず「改造はだめ、改造したら責任持たないよ」という内容が説明書には書かれていますが、若者に売りたくてリンクさせようとする姿勢が矛盾するし、企業としていかがなものかと思いました。しつこいようですが保安部品のデザインのこととかがあると、よけいひどいなと思えてきます。命より販売かよと。
 ともあれ、私にととっては今選びなおせるとしてもダンクが生活にピッタリです。そういう方たくさんいらっしゃると思います、
   最後にダンク「腹水病」について注意。ダンクはステップにガソリンの給油口が埋め込んであります。その給油口の前輪側に水抜きの穴が開いており、ふつうはそこから雨水などが排水されます。しかし私の家の場合、急な坂道に屋根なしで前向きにダンクを停めざるを得ない状況でした。それで給油口が埋まる箱が後ろに傾き、排水穴から排水されずにたまり、ガソリンタンクの中に混入したのです。息を継ぐようなエンジントラブルが始まり、ついにはエンストするようになりました。買ったバイク屋で不調の原因を調べてもらい、水の混入がわかったのです。今では給油口の後輪側にも排水溝を削ってあけていただき、解決しました。水が混入していた間はリッター80㎞の燃費でした。おかしいガソリンが減らない、減らないわけです。だから私のように青空で前上向きに駐車せざるを得ない、床上浸水があるような地域に住んでる、滝のように雨が降る地域に住んでいる方はダンク購入をやめるか、後ろ側に穴を置けてもらうかよく考えた方が良いと思います。
評価 (5点満点)
総合評価 ★★★
スタイル ★★
パワー ★★★★
ブレーキ ★★
サス・足周り ★★★
燃費 ★★★★★
年式
2014年4月
カスタム内容
小さな風防を付けました。純正のキャリアをつけて市販のボックスを取り付けています。
街乗り燃費
51kmぐらい
高速燃費
51kmぐらい
購入の動機
前の原付が故障したため。新しいものが好きだから。
だんく「腹水病」のこともありこれまで3回にわたりダンクについて書いてきましたが。今回で最後にしたいと思います。繰り返しになるところもありますが、全体的に私の評価をまとめてみたいと思います。比較の対象としては、壊れたヤマハ2ストJOG走行4万キロ7年物との感覚的比較となります。また感想を書く私は股下66㎝の短足、体重1120キロ、都内の市部と区部を毎日片道15㎞の通勤にダンクを使用しています。
長所
 運転が楽である。低速から力があり直進安定性もJOGより上だと思う。坂道発進がふらつかずに、後ろにイラつかれることもないと思います。右グリップ、アクセルの回し具合に素直に比例して力が出て、加速していきます。またアクセルをもどすとある程度エンジンブレーキが利き、特に30キロ以下では強めに利きます。この素直な力の出具合とエンジンブレーキで、車間距離の調整や信号前での停止までの動作がとても楽です。
 JOG が10や20キロしか出ない舗装の峠道でも30キロで登って行けます。坂のカーブの内側もするすると加速して行けたりします。また下りは速度30キロ以下でならエンジンブレーキが利いて手動ブレーキの回数がぐっと少なくて済みます。
 鉄道との立体交差点ではするすると50キロぐらいまで加速していきます。山間部に住む方やアップダウンの多い地域に住む方にはとても合うと思います。
 燃費は最新の給油と距離数で行くとリッター51.2Kmでした。JOGが36㎞ぐらいでしたから、すごく満足してしまいます。燃費が良いのはエンジンの性能が良いからだと思いますが、なんとなくタイヤもコロコロ転がりやすい材質のような気がします。ダンクに付属の説明書にはタイヤの交換は同じダンク専用のこのタイヤを使うようにと書いてありました。高いといやですね。
 このタイヤ、市販品のまあるいタイヤとちょっと違って、サイドがすこし厚いです。曲がるときにはそこらへんが踏ん張っている感じがして私は安心感がありますが、ころころ抵抗が少ないタイヤなのでサイドを厚くしてタイヤの設置面積を多くする意味があるのかも。曲がるときはJOGだとハンドルをひねりに行く感じですが、ダンクはすこし腰にも力を入れてひねらないと感があります。直進安定性がいいということなのだろうと理解しています。道路での小さな段差を超えるときなど安定している気がしますので、コーナーを原付でいかに早く回るかなどより私には合っています。まあ若者向きじゃないと思いますね。
 あとヘッドランプの光の広がり方は素晴らしいです。明るさにむらがなくロービームは道の両脇の人のお腹から下ぐらいを見事に照らし、いち早く危険を見つけられそうです。ハイビームも35ワットで明るいです。
短所
大きな短所はありません。私は気が付くと35から37㎞ぐらいで走っていますが。バスなどの停車を避けるため右への車線変更などはするすると45㎞ぐらいまで加速するので注意すれば怖くありません。気になったのはウィンカーと警笛(クラクション?)のことです。JOGも左ハンドル部に警笛のボタンがあるのですが、ボタンだけ黄色をしており、親指をそこらへんに滑らせると「ひっかってしまう」位置にあり、でっぱった形をボタンがしています。とっさのときにも確実に押せるような工夫だと思います。ダンクは警笛のボタンが周りの色と同じ黒で、親指がするりと通り過ぎかねない高さ、出っ張り具合なんです。またすこし取り付け位置が上部寄りにあり、自然なハンドルの握り方をしていると手のひらの小さい人は親指が届きにくい気がします。安全のためにこれはいただけないと思います。手袋なんかしているとさらにとっつきにくいんですこの警笛ボタン。次にウィンカーについてですが、スピードメーターの左下のほうにちかちかとランプがついて使用中であることを知らせてくれます。JOGはランプではなく、カチカチと音が鳴って使用中を知らせてくれます。ダンクは運転席からウィンカーが見えません。聴覚障害の方も乗ることがあるわけですから、付けるとすれば音よりも点滅するランプだろうと私も思います。でもこういう値段で売るなら両方つけてもいいんじゃないの? 私がダンクでよくやるのはウィンカーの消し忘れです。交差点に入っていくと、もうあちこちきょろきょろして安全確認で大変です。気を取られてつい手元のランプも見落としてしまいます。
 あとは好みの問題に入るような小さなことです。
 私がダンクにまたがると両足先が地面にツンツンするぐらいしか着きません。ブレーキレバーの引き幅が少し大きめで、左手のコンビブレーキは引くのに少し力が要るかもしれません。 座席シートは堅めなのかなと思います。JOGは一日200㎞乗るとけつが痛くなり始めますが、ダンクは100㎞ぐらいで痛くなり始めます。ダンクでツーリングも楽しもうと考えない方が良いかもしれません。かかとが後ろに引きにくいステップの形状で、ステップ自体が地面から高めなので、以外と乗車姿勢の取り方に余裕がないように感じます。特に足の長い人は実際に乗ってみて確かめた方がよいと思います。 グローブボックスはUSB充電の端子があるのですが、ここにキャノンパワーショット95、250gぐらいをいれて、秩父路を走っておりましたところ、ちょっとした段差を乗り越えた拍子に「ぽーん」とこのカメラが飛び出して道路に落ちました。ここにスマホとか入れたら「ぽーん」が再現しませんかね。ダンクの説明書には確かに走行中の充電とかやめろと書いてあったような気がします。でも鍵を入れてなければこのUSB端子には電流は流れないんでしょう? いつ充電するの? ダンク停めてエンジン掛けながら充電するのを待つの? つなげながらスマホとかいざという時には使えますというだけのものなのでしょうか。それはそれですごいことなのかな。 純正の「いもびーむ」だっけ?、鍵がないとエンジンがかからない装置と、ゆすると警報音を5秒鳴らすアラームを計2万円ぐらいで取り付けました。これはバッテリーが切れるとこの装置も止まって、鍵を差し込んでキックしてもエンジンがかからなくなるというようなことが説明書に書いてあったような、気になる人はそれもほんとか確認されるとよいでしょう。「えんじんすとっぷ」機構がダンクにはついています。これは私は全然使いません。もともと燃費を良くし、環境への配慮ということでHONDAがつけたわけですけど、リッター51㎞のダンクにすれば節約できるものはわずかな気がしているものですから。早くバッテリーが消耗して2万円くらい出して取り替えるの痛いし。
 





 
投稿者
間歇破行で原付が生活に不可欠な私 <>
投稿日
2014年7月4日
記事No.5494 管理
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